今回は、北派の紫微斗数の大家、徐曾生先生の2010年初版の著書、紫微斗数命運分析 から、「化忌星」についての内容が書かれている部分を翻訳してお伝えします。
「悪い、怖い」というイメージだけではない、使いようによっては改運にもなる化忌星の性質が書かれていました。
翻訳文
「化忌」という言葉を見ると、感覚的に悪い印象を持ってしまいます。
「多管・悔吝之神」とされ、誰もが化忌に纏わり付かれると不運な目に遭うとされています。
多管 : 支配してコントロールする
悔 : 悪い兆しがあると恐れ後悔し反省するのでやがて吉に転じる
吝 : 良い流れの中で調子に乗って小さな問題のことを省みることを惜しむので、行く行くはこれが積み重なり大きな災難となって凶に転じる。
ほとんどの紫微斗数の初学者の場合、誰もがその名称ゆえに悪い星ということが心の中から消えることがありません。
なぜこの様になるのでしょうか?
紫微斗数の本ではどのように「化忌」の意味が解釈されているか見てみましょう。
此星入命、主一生多是非多管、易遭人之嫉、性急躁、帯疾病、多起伏成敗……。
陷宮加?、六親不和、多是非、亦貧賤……。
引用 : 徐曾生著「紫微斗数命運分析」P217~218より
これらの書籍の化忌星についての記述によると、全てみな不吉の象ばかりが記載されています。
この事が多くの人に恐れや不安を引き起こしています。
実際はどうなのでしょう?
先師の教えに依ると、全てが不吉というのとは違い、多くの状況で化忌星は「不利・困頓・損傷」の意味ですが、ある状況では吉の面があります。
化忌星は愛しくも恐ろしい星で「不利・困頓・損傷」の他、「粘着性」といった意味を持っています。
この「粘着性」は「不吉」或いは「吉」の事情のどちらにも作用し、故に「吉」に遇うと益々「吉」になり、「凶」に遇うと益々「凶」になります。
ですからこれらの化忌星の作用を理解することによって、やっと趨避(逃れる、かわす)方法に応用でき、「化忌」を吉に転化することができるのです。
化忌星の五行は水です。
水は「智慧」を代表します。
先賢は「大智若愚・上善若水」という言葉を伝えています。
化忌星には「随縁(なるままにさせる)・順勢(勢いに乗じて、機会を利用して)」という意味があることも指し示し教えています。
化忌星の流年時が巡ってきたら、無理強いや勢いに逆らったりせず、又、先頭に立たないで「収蔵・藏伏・沈潜涵養」といった化忌星の象意に合わせ、無理に突き進まず慎重に行動して災いを招かないようにするべきです。
文字の作りからの解釈に基づきますと、「忌」とは「己」の「心」のことを意味し、「困頓・悔吝・不順」のこれら全ては自己の心境が生み出すということを指し示しています。
進退を知り、欲張らず、求めず、一切を「随縁・順勢」としていけば、自然と化忌星の悪性を解くことができます。
それゆえに、化忌星の禍・福は全て当事者の一念にあります。
運勢を改める方法は多くありますが、全て自己の努力が必要です。
ゆえに「心境」は他の誰に左右されるものではなく、自分で常に永く変わらない努力をすることで新しく変えていくことができます。
そうして初めて自己の命運を改めることができます。
「心境」を改めるには占いは必要ではなく、自分がしなければならない事に集中して人生を充実させることです。
例えば、読書やボランティア活動等でも心境を変えていくことが出来ます。
そうすれば、あなたが困難でやり遂げることが難しいことに出会っても、運を改善していくことができるでしょう。
もし学歴も無く、良い仕事についていないとしても、勉学に励むべきです。
もし暇で、「アイツはどうだ~、コイツはこうだ~」といざこざを起こすくらいならば、ボランティア活動をしたり、孤独で頼る人がいないお年寄りの話し相手でもすればよいのです。
以上が翻訳した内容です。
化忌星の性質を良い方向に作用させて改運するポイントが説明されていましたね。
また、役に立つ内容をお伝えして行きます。
下一次見面! (日本語訳 : また次回お会いしましょう!)
今回のコラムはこちらの書籍を元に作成しています。
yoss
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