今回の占術コラムは、前回に引き続きただ今お気に入りでおすすめの書籍、「李明謙著 紫微斗数看一次就學會」の星曜解説から左輔星と右弼星に的を絞ってお伝えします。
各12宮ごとに、左輔星とそして右弼星が入ったらどういう象意になるか?をこちらの書籍から翻訳して書き出しました。
日本で左輔・右弼と言えば、「扶助や補佐、貴人からの助けを表す吉星」と一般的に伝えられています。基本的にはその通りだと思います。
ただ、こちらの参考文献の書籍では、その基本的な軸はそのままに、左輔と右弼では同じ宮に入った場合では少し違った象意が表れるようです。
日本の紫微斗数の講座や書籍ではいっしょくたにワンセットで手短に象意を伝えている場合がほとんどではないかなと思われるこの両星ですが、さてさてどんな風に解説されているのでしょうか。
「私の左輔・右弼はこことここの宮に入ってるから~」とぜひ楽しみながら読んでみて下さいね。
翻訳文
【命宮】
左輔星
性格が真っ直ぐで誠実。器用。感情に重きを置く、人助けを好む。
幼年期は不順であるか、或いは父母のどちらかが子育てにあまり関わらない。
学業を再度学びなおすことがある。
再度入学して勉強を履修しなおしたいと考えることがある。
結婚前は、三角関係で悩みやすく、結婚後は夫婦双方の価値観の差が大きいので、第三者からの邪魔を防ぐ必要がある。
右弼星
性格が真っ直ぐである、独断で思うままに事を決める、外交的、感情に重きを置く、人助けを好む。
幼年期は不順であるか、或いは父母のどちらかが子育てにあまり関わらない。
学業を再度学びなおすことがある。
再度進学して勉強をしなおしたいと考えることがある。
結婚前は、三角関係で悩みやすく、結婚後は夫婦双方の価値観の差が大きいので、第三者からの邪魔を防ぐ必要がある。
【兄弟宮】
左輔星
兄弟姉妹は性格が真っ直ぐで誠実、向上心がある、感情に重きを置く、人助けを好む、学問や芸事の才能を持つ。
兄弟姉妹は共に折り合い良く関わって行ける。またお互いに助け合える。
※左輔+地空
気分が良いかと思えば、突然変わる面を持つ。
右弼星
兄弟姉妹は性格が真っ直ぐで誠実、独断で思うままに事を決める、外向的、感情に重きを置く、人助けを好む。
兄弟姉妹は、弁舌に優れ、機転が利く。
お互いに助け合うが、ただし関わり方は折り合い良くなごやかではない。
【夫妻宮】
左輔星
配偶者は性格が良く真っ直ぐで誠実、器用、向上心がある、感情に重きを置く、気立てが良く折り合いが良い、学問や芸事の才能を持つ。
本人は結婚前は恋愛で三角関係の問題が起こりやすく、結婚後も第三者の夫婦間への介入に注意が必要。
配偶者が再婚者ならば、吉となる時もある。
右弼星
配偶者は性格が良く真っ直ぐで誠実、独断で思うままに事を決める、外向的、向上心がある、感情に重きを置く、人助けを好む。
本人は結婚前は恋愛で三角関係の問題が起こりやすく、結婚後も第三者の夫婦間への介入に注意が必要。
配偶者が再婚者ならば、吉となる時もある。
【子女宮】
左輔星
子供は性格が良く真っ直ぐで誠実、器用、向上心がある、感情に重きを置く、人助けを好む。 穏やかで気立てが良く、学問や芸事の才能を持つ。
子供は家を興せる力を得る。
右弼星
子供は性格が良く真っ直ぐで誠実、独断で思うままに事を決める、外向的、向上心がある、感情に重きを置く、人助けを好む。
弁舌の才があり機転が利く。
子供は家を興せる力を得る。
【男女宮】
※「男女宮」は、子女宮と同じ場所です。
桃花運(恋愛縁や異性縁)を読み解きます。
ちなみに、不倫や色情などの後ろ暗い男女関係のことだけではなく、一般的な恋愛縁や異性縁全てのことを示します。
左輔星/右弼星
人を助けている、あるいは人から助けられている中で、異性縁のきっかけが生まれやすい。
三角関係になりやすく、どちらかを選ぶ時にはだいたい困ったことになる。
【財帛宮】
左輔星
二足のワラジを履き、二ヶ所から収入を得る。
給与所得及び副業の所得がある。
他人からの助けを得やすい。
右弼星
二足のワラジを履き、二ヶ所から収入を得る。
給与所得及び副業の所得がある。
他人からの助けを得やすい。
【疾厄宮】
左輔星
左輔-戊土(陽土)→主に脾臓、胃腸の疾患、或いは痛風の疾患。
右弼星
右弼-癸水(陰水)→主にせっかち・短気、或いは腎虚、月経困難。
【遷移宮】
左輔星
よその土地で発展する、人助けを好む、
折り合いが良く気立てが良い、※貴人の力を得やすい。
右弼星
よその土地で発展する、
人助けを好む、※貴人の力を得やすい。
中国語で「貴人」とは、その人に出会ったことによって人生が良い方向に開けるくらいの影響を与えてくれた貴重な存在の人のことを言う。いわゆるメンター。
【交友宮】
左輔星
友人が多く、助けになってくれ、お互いに仲良くやって行ける。
右弼星
友人が多く、助けになってくれる。
【官禄宮】
左輔星
同級生、同僚、友人からの助けがあり、左輔と右弼が同宮する時は力が比較的強くなる。
右弼星
同級生、同僚、友人からの助けがあり、左輔と右弼が同宮する時は力が比較的強くなる。
【田宅宮】
左輔星
家の近くに商店、またはコンビニがあり、兄弟姉妹が近所に住み行き来するようになりやすい。
右弼星
家の近くに商店、またはコンビニがあり、兄弟姉妹が近所に住み行き来するようになりやすい。
【福徳宮】
左輔星
心が寛大で思いやりがあり、人助けを好み、福報を得る。
学問や芸事の才能を持つか、球技などの運動が好きになる。
右弼星
心が寛大で思いやりがあり、人助けを好み、※福報を得る。
機転が利き、反応が早い。
※コラム筆者注釈
「福報」とは、他人への見返りを求めない善行をしたために、後々になって良いカルマとなって返ってくることを言う。
【父母宮】
左輔星
父母のどちらかとは、比較的折り合いが良い。
本人が学業を再度やり直す(入試を受けなおすか卒業後再度進学しなおす)、或いは、実の両親以外に親同様と認める存在を持つ(神仏を含む)。
右弼星
父母のどちらかは、比較的独断で思うままに事を決める。
本人が学業を再度やり直す(入試を受けなおすか卒業後再度進学しなおす)、或いは、実の両親以外に親同様と認める存在を持つ(神仏を含む)。
はい、以上が翻訳した内容です。
それぞれの宮に入った時の象意にバリエーションがあり、宮位ごとの象意に違いのあることが分かり、なかなか面白かったのではないでしょうか。
また通してみていただくと、左輔と右弼は少し違うということが感じ取れたかと思います。
この本を読むまで私も知りませんでした。
また、田宅宮の場合は、「家の近くにお店やコンビニがある」といった象意は、なかなか現代的で面白いですね。
兄弟も良く出入りするということは、このタイプの人の住まいは人が集まりやすい賑やかな場所にあるということでしょうかね。
ちなみに「コンビニ」は現地台湾では「便利商店」で充分通じますが、原文では「超商」と書かれていました。
最近できた新しい言葉のようです。
田宅宮に左輔か右弼の入っている人の様子を見て、本当かどうか見て見たいと思います。
また、やはり……と思いましたが、吉星でどこの宮に入っても良い働きをすると言われる左輔右弼星ですが、やっぱり夫妻宮に入った時は、注意が必要……のようですね。
また次の機会に、面白い情報を見つけて翻訳してお届けします。
?們很喜歡了?? 再見!(日本語訳 : みなさま、楽しんでいただけましたか? またお会いしましょう!)
店主@網路台湾書籍部
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